にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

りゅうおうのおしごと! 2 感想

りゅうおうのおしごと! 2

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あらすじ

あいを正式な弟子に迎えた八一は、ある日永世名人から新たな弟子をお願いされる。
お願いされたのはなんと再び女子小学生。あいを迎えたばかりで新たな弟子を取ることを渋る八一だったが、
あいの成長にライバルの存在が必要であったこと、そして何より新たな弟子希望者の才気に惹かれて
一時的な弟子入りを受け入れるのであった。

 

感想

大変すばらしかったです!
女子小学生という本来納得しがたいヒロインを、見事にヒロインとして納得できるところまで落とし込めていた快作ということで前巻で骨抜きにされてしまった身の上ではありますが、だからこそ次の巻であの衝撃を超えることができるのかという不安と共に読み始めた今作。
しかしそんな不安は読み進めていく中で、あっさりと霧散させられます。

 

前巻では弟子になるまでのお話が終わったため、必然的に今巻では弟子になったあいが直面する問題についての題材となります。
八一には銀子がいたように、あいがしっかりと成長していくにはライバルが必要。
しかし、あいと同等の才気を持った同年代の存在など今作に登場させようがない。したとして、あいの才気にしびれていた読者にとってそんなのはただいらつかせるだけの要素にすぎないのではないのか。
――いや、そうならない手段が一つある……! そう、それが主人公・八一にあいと同等の魅力と強さを持ったもう一人の弟子を取らせるということ。
ライバルも愛すべき身内なのです。だから読者たちは、そのライバルにも愛を持って接することができるわけですね。

 

お話はライバルキャラの成長物語が主軸になっていて、それ自体はかなり王道的展開。しかしその王道展開の目的が、あいに対抗しうるライバルの育成というわけですから、読んでるだけでその先に待ち受けるであろう『あいVSライバル』の図が楽しみでついついページをめくる手が止まらなくなりました。

 

それに伴って、前回は竜王である割に情けない印象ばかりが目立った八一が今回はしっかりと将棋で活躍してくれるところもまた素晴らしい。
一番盛り上がるポイントだと思われた対局のさらに先に待っていたまさかの対局が現れたときには興奮が最高潮に達します。

 

因縁を大量にちりばめてこれでもかと興奮を盛り込んでくる豪腕、あっぱれとしか言い様がありません、
前巻に劣らぬ快作となっておりました。