にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

恋は雨上がりのように 感想

恋は雨上がりのように

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あらすじ

女子高生・橘あきらはアルバイト先の店長・45歳の近藤正己に想いを寄せている。自他共に認めるさえない男の近藤だが、あきらはそんな彼の魅力を『自分だけのもの』として、旨に秘めた恋心を募らせていた。
そんなある日、アルバイト中に起こったとある出来事をきっかけに、あきらの秘めたる恋心は大きく動き出していく。

 

感想

更新遅れました、申し訳ありません。

 

さて、今作は面白くも惜しい作品です。
やっていること自体は美少女がダメダメなおっさんに惚れて、そのちぐはぐさを楽しむようなたぐいのもの。
最近では『おじさんとマシュマロ』がアニメ化してそこそこの好評を得られていたりと、安定した面白さを持っているジャンルですね。
記号的なおじさんと記号的な美少女を配置するだけで十分楽しめるは楽しめるのですが、今作ならでははそこの変革にあります。
おじさんは円形脱毛症や他の人に嫌われるほどの加齢臭、さらにはバツイチ子持ちと現実的に中年男の悪いところとされているところをこれでもかと描写して見せつけてきます。
だからこそ、そんなリアルにいやな部分にときめく美少女のいびつさが一層強く際立っているのです。
こういう作り方で新しい魅力が生まれるのであれば、他にも色々とできそうですよね。

 

しかしせっかく一巻で捕まれたハートは、二巻であえなく離されてしまうことになります。
女子高生がバイト先のチャラ男にアプローチをかけられるという流れ。
シチュエーションとしてはありだとは思うのですが、おっさんと美少女のすれ違いを見せるべき今作においてこのチャラ男はまったく効果を発揮していません。
チャラ男は割といい歳をした大人で、女子高生の特殊な性癖にも気づいている。その上でずるがしこく立ち回るために、ただただドロドロとした普通の恋愛物語的に堕ちていくだけ。
そんなものが見たくて今作の二巻を手に取ったわけではありません。
リアルを意識しすぎて、無駄なシリアスが入ったような印象です。

 

というわけで、『おじさんとマシュマロ』と同じ成功と、同じ失敗をしている惜しい作品だったなぁというのが自分の感想となります。