にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

レーサー/光と影 感想

レーサー/光と影

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あらすじ

17歳でロードレース女子ジュニア部門で優勝して以来、目覚ましい活躍を続けるジーンソ。
栄光の裏に隠された壮絶な転落劇を描く、ヒューマンサスペンス。

 

 

感想

なんとも判断し難い映画でした。
描かれているのはドーピングによってつかみ続けている栄光。
その立場が偽物であっても、そこに立っているという事実に変わりはない。
しかし競い合っている立場からすれば、間違いなく許されないアンフェアな精神です。
あってはいけないこと。みんながやれば、スポーツマンの健康被害はひどいものになるなどなど……色んな事情で守られている遵守すべきルールです。

 

ところが自分は観ていく中でそんな常識に則った不快さのほかにもう一つの感情が浮かび上がりました。
そこまで優勝を求めた人間の渇きに、愚かしさよりも美しさのようなものさえ感じさせられたのです。
ジーンソがこの後待っている自らの破滅を受け入れてなお、走り切ったクライマックスには熱いものがこみ上げてきました。
なぜなら彼女は不正を犯したくて不正をしているのではなく、誰よりも純粋に『勝利』を渇望していただけにすぎないのですから。
……とまぁ、言い切れてしまえばよい映画だなぁと思うものの。
やはりアンフェアすぎるがゆえに、この流れには素直に賛美を送ることがし辛いわけです。
最後、きちんと報いを受けているという点できちんと納得のいく作りにはなっているので、決して悪い映画とも言えません。

 

本当に判断に困る作品でした。