ジョン・ウィック 感想
ジョン・ウィック
あらすじ
元凄腕の殺し屋・ジョンは恋人・ヘレンとの出会いをきっかけに足を洗い、平和に暮らしていた。
しかし、ヘレンが病で亡くなり、一人になるジョンを心配したヘレンは犬を贈った。
犬と共に生きていこうと奮起していた最中、マフィアボスの息子・ヨセフによって犬を殺されてしまう。
ジョンは、復讐のために立ち上がる。
感想
とてもいい復讐劇でした。
復讐の中でジョンは追い詰めた相手を殺さないまま、次の目的地へと向かうことがたびたび見られます。
そうしたジョンが時折見せる甘さがすべて、後にとある形で取り返しのつかない後悔へとつながっていくことに。
この後悔というのが、ジョンが復讐しなければ失うことはなかったもので、作中語られていた「よく考えたか?」というセリフをフラッシュバックせずにはいられません。
自己本位で動くなら、徹底的に自己本位であるべきなんだ、という今作のメッセージに激しく揺さぶられてしまいます。
変に恋愛要素も入っていない、とことん硬派なあり方にスッキリしました。
総括すると……失うものを失いながら、きちんと最後までやりとげ、なおかつそのことに後悔を抱かない、漢の映画でした。
ただ、気になるところが一点。
犬はジョンにとって平和に過ごすための、希望の象徴です。それは重々に承知している上で、最後のあの行動に至った経緯は説明不足感が否めません。
復讐をやり遂げた末の余韻を感じさせる箇所だけに、もう少し丁寧に描くか、あるいは平和な世界に戻れない狂人的思考を感じさせるような終わり方であってほしかったです。