にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

断末のミレニヲン 感想

断末のミレニヲン

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中世ヨーロッパ風ファンタジー世界で、偉大な父と兄を持ちながらも自身は平凡な少年がバイオハザード的な状況に巻き込まれるお話。

 

 

ファンタジー世界でゾンビに追われるような内容で、構造はまさにゾンビ映画のそれ。
外で大量のゾンビがうろついている最中、逃げ込んだ教会を盗賊が制圧して自分たちの欲望を吐き出すために好き勝手にしたりと、『人はこんなにも醜いんだ』描写がたびたび差し込まれます。
もちろんそれだけじゃありません。今作のゾンビもきちんと感染型です。
自分を逃がしてくれた親や、恋仲になりかけた少女など主人公・アトルが心を寄せていた人々がゾンビとしてアトルに襲い掛かってくる展開もばっちり完備。
そうした抑圧の上、さらにアトルのことをかばって死んでいく仲間たち。もうこれでもかと読者を絶望の淵へと寄せていってくれます。


結局、一巻の中では最後の最後まで救いはありませんでした。とことんゾンビ映画へのリスペクトが感じられ、読み終わった後の感覚もゾンビ映画を観た後とよく似ています。
面白かった……ものの、やはり不満が一つ残りました。
ずばり、ゾンビ映画まんますぎるのです。
ファンタジーという題材以外の部分でライトノベルだからこその要素があってもいいのにな、と思ったり。
といっても、そういった展開はおそらくこの先の巻で見せてくれると思われるので今後に期待です!