にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

キングスマン 感想

キングスマン

f:id:saradax:20150912010032j:plain

あらすじ

青年ゲイリーはDV親父から逃げられない母と共に暮らし、すっかりとぐれてしまっていた。
そんな彼の前に『キングスマン』なる組織に所属し、超人的な戦闘力を持つスパイ・ハリーが現れる。
ハリーはゲイリーにスパイの才覚を見出し、キングスマンへの入隊試験に誘う。
ゲイリーはDV親父から母親を助けるべく、キングスマンに入るための試験を受けることを決意するのであった。

 

 

感想

もう、最っっっ高でした。
娯楽映画オブ娯楽映画です。こんなにも素直に楽しめる映画に出会えたのは子供のとき以来のような気さえします。
というのもこの映画、とてもシンプルな構造をしていて何一つ新しいことをしていません。
内容としては……スパイ映画で、主人公が師匠となる人物から才覚を認められて、成長していくお話。
ははっ、つまんね。今の時代こんなものを作って本気で面白いと思っているのだろうか、とか観る前まで本気で思っていました。
それでもこれだけ魅力的な仕上がりになっているのは、一つ一つの既存の要素を非常に高いレベルで仕上げることができてしまっているからです。

 

CMがあんな感じの割に、スパイとしての成長物語がしっかりと組み立てられているのでまずお話にのめりこみます。
そして、戦闘描写は人の魅力的な動きをしっかりととらえていて気持ちいい。
さらに、テンポよくわらいを差し込んで観客を沸かせることも忘れず、さらにさらにこれまたしっかりと描写される騙し合いの数々にハラハラさせられる。
つまりは徹頭徹尾人を楽しませることを忘れないんです。今を時めく作品群たちがいかにオナニーなのか(オナニー作品も悪くないですが)がうかがい知れるというものです。
よくぞ映画尺でここまで濃厚なものを崩すことなく仕上げてきた、とただただ関心させられるばかり。

 

 

しいて欠点をあげるなら、一つ一つの描写が薄すいこと。
例えば犬を殺せと言われた場面では観客視点だとあまり犬に感情移入できるほどの描写がされていなかったり、例えば犬を殺すことに戸惑いを持っていたはずの主人公があっさりと人を殺したり。
しかし、そこの不満を不満だとほとんど感じさせないほどにロジックがしっかりとしており、正直欠点というほどの欠点でもありません。
描写が薄いといえば8月映画の『バケモノの子』もそうでしたね。しかし今作と違ってあれは「ひどい」の一言、納得できるロジックがあるかないかでこうも大きく変わるのだなぁと改めて実感しました。
やはり頭をからっぽにして楽しめるものほど、しっかりとした明確なロジックが存在しているものですね。

 

 

総括すると、面白い超正当派娯楽作を今の時代に劇場で拝むことができる。それがこんなにも楽しいことだったなんて……! そんな作品でした。