にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃 感想

クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃

f:id:saradax:20160416210528j:plain

あらすじ

ある日、双葉幼稚園に謎の少女・貫庭玉サキが引っ越してくる。
時を同じくして春日部市民達の見る夢に大きな異変が起きた。
みんながユメミーワールドという同じ夢を見るようになったのだ。やがて楽しい夢が奪われ、ユメミーワールドの外にある悪夢の世界で恐ろしい事態に巻き込まれてゆく市民たち。次第に悪夢しか見れなくなる人が増え、その影響で現実世界も混乱に陥る。

 

感想

クレしん映画といえば、昔こそ名作の連発だったものの途中から失速してしまったイメージが定着しております。しかし、最近はロボとーちゃんなど魅せる映画をもしっかり打ち出してきており、勢いを取り戻してきました。
そして気になる今作。先行上映の評判も上々で、期待に胸を膨らませて行って参りました。

 

内容は、かなりよかったです。
クレしん映画では珍しいほどに奇をてらわない、非常にシンプルな作品となっていました。鑑賞後の感覚はクレしん映画というよりもポケモン映画のそれに近い印象。
映画オリジナルキャラの少女の扱いも、映画ポケモンのメインポケモンそのものです。
そのキャラにまつわる事件が起き、そのキャラの心理的葛藤を乗り切り、問題を解決するような構造。

 

夢の中を題材にした世界観も相成って共感性が強く、大変観やすかったです。
『夢』という設定があることで、キャラクター達が嬉しいと思うこと、辛いと思うことがこれ以上無い形ではっきりと表現されるため、その時その時の心情描写が必然的に丁寧になるところが上手い、と唸らされました。

 

子供の持ったトラウマがいかに大きく心をむしばむものなのか、という割と重いテーマでありながらも、クレしん色で親子の絆、友情を語らい、ライトに楽しむことが出来ます。
世界観ならではのギャグとして子供の夢の発想力は大きく、大人の夢の発想力は小さい、などの皮肉に思わずにやりとさせられ、かと思えば大人でも子供のような発想力を持つことができるのだという展開に、ありがちながらも素直に感心させられます。

 

途中から提示されていた悪夢を食らいつくすバクなる存在ですべてを解決するのではなく、きちんとサキの抱えた心の闇に対しての向き合いも誠実に行われている点で、大人が見ても楽しめる作品だという印象を受けました。

 

ちなみに、今作は夢という題材の性質上舞台がずっと春日部です。
懐かしの春日部市民達も大勢登場し、ギャグの流れも非常にクレしんらしくて自然に笑みをこぼしてしまいそうなものばかり。
今までのシリーズの中で初めてクレしん映画として正当派なものが出てきたなぁというのが自分の感想です。