にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

マイ・インターン 感想

マイ・インターン

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あらすじ

老人・ベンは定年を迎えて妻も亡くなり、孤独に生きていた。
ある日、ファッションサイトのインターン募集チラシを見たベンは、応募して採用される。
配属先は社内でもキツいと評判の若い女社長・ジュールズの所属。
本人が望めば配置換えも可能だと聞くが、ベンはジュールズの元で仕事することを決意する。

 

感想

とても気持ちのいい作品でした。
話は前作の『プラダを着た悪魔』と同様に『自分の弱さ』を認め、『自分らしさ』の答えを見つけられるようになっていくというもの。
取り巻く環境も同様で、服飾品を扱っている会社の強気な女社長と、業界を知らないようなまったくの新人によるバディムービー。
しかし今回は、その立場が真逆になっています。

 

女社長は一年半で会社を大きく成長させた若い女性・ジュールズ。片や新人は、定年後の余生を過ごしている老人・ベン。
若い人よりも長い年月を過ごしてきた理知的な人間だからこそ、その言動で魅了され、既存の空気を壊していく周囲の人々の姿にとても納得し、展開が自然に飲み込めてしまいます。
しかし、ただ長く生きている人がすごい、と言っているわけではありません。
ベンと同じくらい過ごしていても無能な人は無能だという描写もされていて、若いのに有能な人間としてジュールズが称えられている描写もしっかりとされています。
両方すごい。そう、この映画で言いたいのは『立場がこうだからこう』ではなくて、頑張っている人がすごいんだということ。
このメッセージにとても誠実さを感じ、その上でただ真面目なものではない、娯楽としての面白さをも兼ね備えた、とてもいい映画作品だと思いました。

 

 

 

ただ、主人公のベンが人として完成されすぎているため、冒頭で示されていた悩みも作中ですぐに解消されてしまい、ジュールズの悩みの解消だけで物語が閉じられた感が否めず、お話的にはややすっきりしないものが残る印象。
願わくば両者の悩みが絡み合いながら解消に向かってほしかった!

 

 

個人的にいいな、と思ったポイントはハンカチの価値観について。
「ハンカチは、人に貸すために持ちあるくものだ」
使わなくても持ち歩く理由として、とても納得。
たったそれだけの気配りを示すことで、この映画の中ではもちろん、現実でも『紳士』を演出できてしまう。
なんて素晴らしい技なんだろう、とただただ感動しました。