にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

13の選択 感想

13の選択

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あらすじ

もうすぐ結婚を控えている青年・エリオットはある日、仕事をクビになってしまう。
結婚費用の捻出、病気の弟や父親の介護費用、多額の借金。とにかく多くの金が必要だった。
そんな最中、エリオットのもとに不思議な電話がかかってくる。
なんでも13の命令をこなしたら億万長者になれるゲームへの招待だという。
エリオットは大金を手に入れるため、ゲームへの参加を決めるのであった。

 

 

感想

当然のことながら、大金が手に入るゲームなどという題材を扱っている映画ではろくなことが起こりません。エリオットは大金を手にすることはできますが、その分大きなデメリットも付きまといます。
作中ではそのデメリットによって、エリオットが人としてのアイデンティティーを徐々にステップアップしながらはがされていく様が描かれていました。
お話の構造としては『恋はデジャブ』に近いです。ストレスのある環境に居た主人公が、そこから脱するためにあがくが実現できず、狂っていくというもの。
ただ、『恋はデジャブ』では超現実的な時間軸にある日唐突に閉じ込められていたのに対して、今作ではすべてが自業自得です。
お金がまったくないのも、ゲームに手を出したのも、そのゲームのステップアップを決意して犯罪に手を染めたのも、すべて主人公が選び取ってきたものばかり。


ゆえに『恋はデジャブ』は自分にはまったく関係ない場所で行われているファンタジー作品としてただ恐怖を楽しめていたのに対し、今作ではまったくの真逆な作りになっているというわけです。
今作の大金獲得ゲーム参加は、たとえるならソーシャルゲームのごとく基本無料を謳っていたはずなのに、いつのまにか後には戻れないほどに課金していたような状況に追い込まれてしまうのと同じ。
基本無料なら試しにやってもおかしくないですよね。ましてやそこに生活がかかっていて、お金が本当に手に入ると知ってしまったらなおさら。
この映画で扱われている題材は決して我々観客たちにとっても遠くない話。
ということで、今作は人が壊れていく怖さだけでなく、現実からそう遠くない実在性を含んだ二重の恐怖を味わうことができる作品となっていました。