ゴブリンスレイヤー 感想
ゴブリンスレイヤー
とてもすばらしかったです。
ファンタジーという題材を扱っているのに、王道でもなければ最強設定でも最弱設定でも無い。
では中途半端なのかと言えばそれも違う。
平凡な男がただ一つのことを無骨にやり遂げる、プロフェッショナルの姿が描かれていました。
ゴブリンスレイヤーを名乗る主人公が生業としているのは、世界最弱の魔獣・ゴブリンを狩り続けることのみ。
ゴブリンは確かに最弱ではあるが、人数は多く、人をさらい、辱め、無残に殺すような存在で、冒険者から見れば報酬も少ないため人気の無い案件。
なるほど、確かに伝説のドラゴンを倒す勇者よりも頻繁に村を襲ってくるゴブリンを積極的に刈り尽くす凡人の方が正しく正義の味方をしている。
今まで輝かしい冒険活劇の裏側に隠れていた、もっと村人達にとって正しい形での英雄像を見せつけられました。
最強でも最弱でもない、『最優』を題材とした今作は今後のファンタジーのあり方にもう一つの道筋を示してくれたように思える新機軸の作品。
今後のファンタジー作品にどんな最優の題材が扱われていくのか、楽しみです。