にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ゼロ・グラビティ 感想

ゼロ・グラビティ

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宇宙ステーションで仕事中だった女博士が、事故によって宇宙の中を漂流しながらも地球への生還を目指すお話。

 

 

これをDVDで見たことを後悔しました。
一つ一つのカットが長く、ぐりぐりとまわるカメラワーク。頻繁にカメラの前を横切る小物たち。
明らかに3D効果を意識して作られています。
そうした要素を観ていてデジャブを覚えました。これは……ディズニーのシアター系アトラクションみたいだ、と。


今作は九十分のシアター系アトラクションなのです。九十分間もアトラクションに浸れるなんて、なんて贅沢なんでしょう。
公開当時に騒がれていたものの、宇宙を漂流するという内容にいまいち魅かれずに手を伸ばさなかった自分をぶん殴ってやりたいです。今から手を出すにしても、せめてブルーレイでした。

 

 

じゃあ内容はどうなんだよ、という話になりますよね。
自分も公開当時そう思っていました。
扱っているのはインターステラー同様に『宇宙に一人で放り出されることへの恐怖』についてです。
ただ、インターステラーと違って恐怖を克服していく様を描いています。
インターステラーでは恐怖は克服できないものとして描かれていて、そこに心底身を振るわした身としては今作で扱われる恐怖の描写は今一つな印象。


もっと内面的な葛藤をじっくりさせればそこへの説得力は増したのかもしれませんが、この映画に限ってはそこよりも優先すべき場所がありました。
絵的な派手さです。
アトラクションムービーであることが最大の魅力である今作は、否応なくアクション性を高めなくてはいけなかったのです。
インターステラーみたいな絵をじっくり見せつけられても確かにつまらない。
しかし、映画体験とは違ったアトラクションとしての面白さが十分に備わっています。

 

 

個人的に割と気に入っているカットが一つあります。
主人公・ライアンが宇宙に一人放り出されていく場面。
宇宙はどこかに光源があって、なんだかんだで宇宙服を明るく照らしてくれるような印象を持っていたわけですが、そこに待ったをかけてきます。
宇宙服が暗闇に飲み込まれていくように背景と同化していくのです。
あたりまえと言えばあたりまえ。でも、絵としてそれをイメージしたことのなかった自分にはとても衝撃的なカットでした。

 

 

 

惜しむべくはというか、悔しいのは公開当時の宣伝方法。
想像していたものは『延々と宇宙の中を漂流する様をきれいな映像で観るのか、なんて魅かれない内容なんだ……』というものでした。
ここまで派手な映画だとわかっていれば、と文句を言いたくなります。
いや、観にいかなかった自分が悪いんですけども。