にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

冷たい熱帯魚 感想

冷たい熱帯魚

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あらすじ

小さな熱帯魚店を営む社本信行は、再婚した妻との仲も実の娘との仲も悪く、家庭内をとても冷え切らせていた。
ある日娘が万引きをしてしまい、スーパーへと呼び出されてしまう。
そこへ現れる店長と仲のいい男・村田幸雄。娘を助けてくれるだけでなく、彼の店に住み込みのバイトとして雇い社会復帰をさせてくれるという。
親切な村田に流されるがままに娘を預け、ビジネス面でも彼の店や家族と交流をすることになる社本。
しかし、村田は裏の顔を持っていた。それに気づいたときにはもう、社本は引き返せない状況に追い込まれてしまっていた。

 

 

感想

人が精神的に壊れていくステップを順々に踏んでいく構造。
今回は殺人鬼に目をつけられてしまった男による精神崩壊劇です。

 

ジェイソン、フレディ、ハンニバル。映画でその名を轟かせる殺人鬼はたくさんいます。
もっと日常に根差した殺人鬼でも、「ああ、こいつならそういうことやりそう」と納得のいく人選がされるもの。
ところがどっこい今作はそこが違います。
どこにでもいそうなおっさん――それこそ通勤途中の道とかを歩いていてもおかしくないくらいありふれたおっさんが、今作を彩る殺人鬼です。
本当に普通のおっさん。なのに彼はむやみやたらと殺人に走るのではなく、きちんと警察にもばれない完璧な後始末込みでの完全犯罪的に殺人を成し遂げてしまいます。
いやいやいやいや怖すぎる。伝説的殺人鬼じゃなくて普通のおっさんだからこそ、ある日突然降ってわいた死の理不尽さが如実に表れていました。
今後街中でおじさんたちに背を向けることが不安になってしまいそうです。

 

その辺に居そうなおじさんだからこその日常に根差した恐怖を体験できる作品です。