にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

サクラ×サク 感想

サクラ×サク

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中世ヨーロッパ的ファンタジー世界。今まで友達ができたことのない主人公が、国や軍組織の中で孤立しているお姫様と心を通わせていくお話。

 

 

目立って新しいことはほぼなにもやっていません。
孤独を感じている主人公が孤独を感じているヒロインに近づいていくという普遍的な内容に、驚きを得ることはありませんでした。
しかし、ただ一点において従来のそういった作品とは違う要素があります。
主人公・ハイジ(男)が最終的には秘められていた能力があったものの、それまで抱えていた悩みを凡人のまま乗り越えるという部分です。


秘められた力があったから乗り越えられたんじゃありません。彼は孤独のまま突き進んでしまうほどに、誰よりも強くなるための努力をしてきました。
なのでそこにカタルシスはありません。作中での描写はあくまで凡人のそれ。
そのうえで、人が当たり前のように抱える悩みを自分と同類――いや、プラス自己犠牲の精神を持ったお姫様・サクラのために乗り越える。心を震わせないわけない!
今作の魅力は、ファンタジー世界でありながらも割と地に足の着いた葛藤を見ることができるところにありました。