にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

中古でも恋がしたい! 感想

中古でも恋がしたい!

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今週七回目の投稿。

 

 

ななななんと重い題材なんでしょう。
エロゲーのヒロインでさえ純愛物語なら非処女だとディスクブレイクなこの世の中、ラノベ界に堕天使が舞い降りました。
ヒロインは非処女。主人公は処女信仰者。今までどこかタブーのように扱われていた題材がとうとう現れたのです。
そう、これは非処女のヒロインを前に、処女信仰者の主人公の心がとかされていくまでを描くお話――というタイトルから察することのできる内容は皆無です。

 

 

じゃあ、何するんだよって話になりますね。
タイトルは割と具体的なので、非処女のヒロインを相手に何らかの形で葛藤するお話なのは間違いない……
こともなく、ぶっちゃけヒロインは非処女ではありません。そもそも非処女はこの作品で登場しません。
つまり、恥ずかしながら自分はタイトルに書かれている『中古』という言葉の意味を誤ってとらえていたわけですね。
いやもう本当になんと申し上げればいいか……自分の心の汚さにただただ恥じるばかりです。

 

 

というのも嘘です。きちんと受け取った通りの意味を持っていました。
清一はばっちり非処女についての問題に悩んでくれるのです。
ヒロインの古都子は学校でも有名な不良で、やりマンとしても名がはせています。
清一は古都子を助けて惚れられ、告白をうけるものの処女以外は御免こうむるタイプなので無理。
でも清一は彼女が非処女とはどうしても思えない。古都子は本当に非処女なのか……どっちだ……どっちなんだ……っ! あぁっ! 処女だったー! やったね!
こんなお話でした。

 

 

……な、なんだこれ。
非処女を問題として扱うなら、清一に許される葛藤は処女も非処女も関係ない! という答えを出すに至るもの以外あっちゃだめでしょう。
清一は結局処女の古都子とめでたしめでたしですよ。こいつ処女信仰者のままなんの成長もしてねぇ。
口では非処女だったとしても助けたとか言ってますが、なんの説得力もありません。

 

 

説得力がないのは根本の問題として扱っているそこだけじゃなかったりします。
強姦未遂、誘拐、暴力などの日常系の世界観で扱うには重すぎる題材が豊富に登場するわけですが、
そのどれもが、主人公たちを盛り上げるための要素以上に昇華しきれていません。
序盤からズバッと強姦未遂が行われたのにもかかわらず、清一も古都子もそれに対して特に何の感慨もなく日常生活に戻ったりしているんです。
もう適当パラダイス。どこ見ても適当です。

 

 

そんな今作ですが、魅力的な部分もきちんとあります。
不良少女・古都子の健気さです。
エロゲーマー・清一の気を引くために自らエロゲーを購入ならびに研究し、ゲームヒロインの真似をする様子がかわいくて仕方ありません。
あ、清一の野郎クライマックス以外ずっと受け身ですね。もはや主人公であることも放棄しているとは……。

 

総括

タイトルを見たときはギョッとした反面、淡い期待を抱いたりしました。
この題材でどうやって物語を成り立たせるんだろう、と。
ところがこれはタブー的要素に果敢にチャレンジしているようで、触るだけ触って逃げてるような感じです。
近年まれに見るほどにひどいものでした。