にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

LIFE! 感想

LIFE!

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またまた映画。今週五回目の投稿です。

 

物語

妄想の中で自分を活躍させていた男・ウォルターが、仕事で訪れたピンチをきっかけに旅に出て妄想していたような自分に近づいていくお話。

 

 

ミソなのは、理想の姿に近づくことが元々の自分から変化することとイコールではないということです。
彼は終盤でも相変わらず口下手で、ヒロインに伝えたいことを正確に伝えられない人間のままでした。


つまりウォルターは出先に理想の自分を見つけに行ったのではなく、元々自分の中にあった人としての魅力を見つけたわけです。
それを見つけたからこそ、物語の目的として存在している写真にうつる彼の姿がなぜショーンいうところの『世界で一番美しい風景』なのかを知ることができるようになりました。

 

作中で彼が決意して行動を起こす時はいつも何らかの乗り物に乗り込むときです。
どの絵もまるで飛行機が滑走路から飛び出していくかのような気持ちよさがあります。
(最初にまさにそういった飛行機が飛び立つシーンを見せられたことで、その後のそういった効果を狙ったシーンでことごとくそのイメージがなだれ込んできてぞくりとさせられました)


そしてそこにはウォルターのことを手助けしてくれるキャラクターが伴っていて、彼は自身の力だけで旅を進めることができないと象徴されていました。
途中、スケートボードで坂を勢いよく降りていくシーンでようやく独り立ちできたのだと思いきや、その後すぐに火山が噴火することを知らせに来てくれた親切なキャラに車に乗せてもらいます。
その時点でウォルターはまだ独り立ちできていなかったわけです。


本当に独り立ちできたのは、一度旅から戻った後のこと。もう一度旅に出て一人で目的だった人物を見つけてようやく彼は一人前になれました……といいたいところですが、ここでもまた彼は人に――しかも今度は親に助けられてしまうのです。
最初に妄想を見ていたのは彼がまだ非現実的な夢を見続けるような未熟な人間であることを示しているのなら、この作品はまだ大人になり切れていなかった男が大人になっていく物語だったのだと自分は思います。

 

総括

とにかく行動することがいかに大切なのかを再認識させてくれる作品です。
日常を過ごしていく中で、自分が臆病になってきたと実感するたびに投薬していきたいと思いました。