にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ヒックとドラゴン2 感想

ヒックとドラゴン2

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あらすじ

バイキング一族がバーク島でドラゴンと共存するようになって五年の歳月が経つ。
ヒックはトゥースと共に島の外へと頻繁に飛び回り、新しい島の発見することを楽しみを見出していた。
そんな最中のことバーク島の外にもドラゴンを乗りこなす男が居ることを知る。
しかもその男はドラゴン軍団を作り、バーク島を襲おうとしているという。
ヒックは男を止めるために、ヒックとともに男を捜しに向かうのであった。出会いと別れが交差するドラゴンアクション3DCGアニメの第二部。

 

 

感想

さすがのドリームワークス。
前作から引けをとらないクオリティで第二弾を打ち出してきました。
一見すれば今回は単純に悪を倒して、村の長になる的なシンプルなお話。
絵には瞬時に魅了されましたが、観始めた段階で物語はさすがに劣るかなぁなどと思っておりました。
ところが実際にはそれとは違う、前作と地続きになった『ヒックとドラゴン』だからこそのテーマがそこにはきちんとあったのです。

 

今作ではヒックたちバイキング一族の他に、ドラゴンを乗りこなす勢力が二つ現れます。
一つは敵対相手の男。もう一つは正体不明な覆面の人物。
前述したように全体で見れば勧善懲悪でそのおまけ的に長になる物語ですが、それぞれの存在がヒックに対して突きつけてくる命題は『本当にドラゴンとの友人関係なんて成り立つのか』『村よりもドラゴンと居ることを選択した○○が目の前に現れたらどうするか』というもの。
やはり今回もまた前作同様に『関係』への問いかけを、しかも今度はドラゴンだけじゃない普遍的な関係も含めて見せてくるお話となっています。
覆面の人物によって起こる人間関係の化学反応が、普遍的な題材をただの『記号』としてではないものへと昇華させ、おかげですっかりと見入ってしまいました。

 

ストレートにハッピーエンドにいくことはないというのもまた、今作をただ幸せいっぱいなだけのファンタジー作品ではないものへと押し上げているポイント。
クライマックス中に以前ヒックが足を失ったレベルの、あるいはそれ以上のかなりシビアな描写が一つ差し込まれてきます。
そして今回はそれがクライマックス後、ヒックがとある決断する直接的なきっかけにもなっていて、より洗練されている印象を受けました。
いろんな面が前回からバージョンアップされている今作、『ヒックとドラゴン』らしい世界を前以上に体験できる作品です。