にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

まいてつ 感想

まいてつ

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あらすじ

鉄道車輌を制御する人型モジュール・レイルロオド。
旧帝鉄 8620系蒸気機関車のトップナンバー機、8620の専用レイルロオドであるハチロクも、
他の数多のレイルロオドたちと同様 大廃線に伴って廃用され、長い眠りについていた。
廃線による鉄道事故で家族を失くし、隈本県は御一夜市の焼酎酒造・右田家の養子となった少年・右田双鉄。
長じて帝大へと進学した彼は、第二の故郷を工場誘致による水汚染から救うべく、御一夜へ帰還。
そこで偶然にハチロクを目覚めさせ、そのオーナーとなる。
双鉄とハチロクとは それぞれの目的を達成するため、行方不明になっている蒸気機関車8620の捜索を決意した。

 

感想

一時、秋葉原へ行けば必ず目に付いてしまうほどの派手な広告、その他実際の電車企画など面白い公報が話題を呼んで嫌が応にも意識せざるを得なかった今作。
一部では約束された神ゲーとまで称され、発売日を今かと待ち望んだエロゲーマーは少なくないでしょう。

 

さて。そんな『まいてつ』ですが肝心の中身はというと……普通でした。
決して悪くはありません。目立った悪いポイントもありません。
いいところはたくさんありました。でも普通でした。

 

見所はレイルロオドという、ローゼンメイデンをR2D2のようなポジションにしてみたキャラクターたち。
彼女たちを原動力に、SLを復活させ、地域の観光資源としようというのが今回のお話です。
SLのある背景グラフィックの優美さはさすがといったところ。
作中で度々差し込まれるSL関連の知識はあくなき取材への熱意を実感させられ。クリエイター達の魂を彷彿とさせてくれます。
お話自体も納得できる要素できれいにまとまっており、本当に悪いところがみあたりませんでした。
攻略する度、タイトル画面と曲が直前に攻略したキャラ仕様になるのがほんのり感慨を覚えさせてくれてグッド。
だからこそ、プレイ後に自分がこんなにも感動していない理由がすぐにわからなかったのです。

 

もちろんそう言うからには、きちんとそこの理由を見つけることができました。
ではどこに問題があったのか……演出です。
e-moteやグラフィックなど、一見してリッチで華美なルックが演出の下手さを気づきにくくさせていたのです。
だから悪くないはずなのに、満足できない。
思い返せば、クライマックスでは展開として盛り上がっているはずの場面でも、曲やCGで盛り上げるようなことはせずにそれまでの日常パートと同じ流れのまま抑揚も無く過ぎ去っていきました。
e-moteというシステムも、動きすぎていてむしろ絵を強引にうねうねさせた違和感ばかりが前面に押し出されている。リミテッドアニメのように、最小限の動きだけを見せるべきだった。
――などなど、実にもったいない部分の失点が作品全体の印象を低い位置へと下げてしまっているように思えました。

 

ゆえに、約束されていた勝利を逃してしまったゲーム、というのが自分の感想です。