にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

アーロと少年 感想

アーロと少年

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記念すべき百記事目となります! たしか、ブログの継続期間もちょうど一年を迎えようとすることろだったような……そこへピクサー作品を持ってこれたのは中々タイミングがよかったです(・∀・)

あらすじ

六千五百万年前、地球に近づいてきた隕石が衝突すること無く通り過ぎ、恐竜たちが絶滅を免れた世界。それから数百万年後、彼らは言葉や文化を持つようになっていた。
アパトサウルスの少年アーロは、兄や姉と比べて小柄で臆病なのをからかわれていた。
ある日、アーロは事故で川に流され、見知らぬ土地で目を覚ました。そこで原始人の少年・スポットと出会う。

 

感想

非常によかったです。

 

今作は親を死なせてしまうレベルの臆病者が恐怖を受け入れていく成長物語。
なんでアーロが恐怖を抱いたのか、アーロがさらなる恐怖環境に身を置かれてしまう、恐怖を乗り越えるきっかけたる相棒との出会い、相棒と行動していく中で恐怖との向き合い方を身につけていく、そして相棒のピンチに恐怖完全攻略――
そのステップを丁寧に一つ一つ踏んでくれているため、飲み込みやすいです。

 

最後にアーロにとっての恐怖の象徴であった雷を、相棒たるスポットを助けるために乗り越えるシーンなんかは、恐怖的な成長だけでなくそれまで直視してこなかったスポットという一つの人格との向き合い方の成長にもつながっていて、浅さを感じさせない巧みさを見せつけてくれました。熱かった!

 

必要な要素流れを無駄なく綺麗にはめ込んできたプロットはただただ美しいの一言。
演出一つ取ってもとても映画的で、シーンを観ているだけでため息が漏れました。
例えばスポットがアーロの手を離れて人間家族に迎え入れられたところ。それまでずっと四足歩行で猿というか犬のようだったスポットが、大人に手を引かれて二足立ちになっていく変化などは二人の成長と別れをこれでもかと突きつけられ、感涙ものでした。

 

個人的に面白いなと思ったのは、恐竜達が現代の人間ポジションな世界であるため、人間が前述したような犬などの動物的扱いを受けているところです。
一昔前にやっていた、動物が人間の動物園を見に行くCMを思い出しますね。

 

しいて難点をあげるとすれば、フックがなさすぎて割と観ようと腰を据えるところまでに体力を使うところでしょうか……
ポスト人間に恐竜が、ポストペットに人間が、というちぐはぐ模様を押し出せばもうちょい興味の引ける宣伝になったのかなぁと愚考する次第です。

 

本編は文句なしの傑作だと思います。
ショートムービーも明快でいい作品でした。