にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

心が叫びたがってるんだ。 感想

心が叫びたがってるんだ。

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あらすじ

成瀬順は子供のころに自分が発した言葉が原因で家族を崩壊させてしまったことをきっかけに、言葉を発することができない。
ある日、担任から『地域ふれあい交流会』の実行委員に任じられてしまう。メンバーは順を含めて全部で4人。いずれも順に劣らず個性派揃い。
順は偶然メンバーの一人がミュージカルの曲を奏でているところに遭遇し、自分も『歌』であれば言葉を発することができることに気づいた。
こうして人口委員の四人は『地域ふれあい交流会』でミュージカルを催すことを決める出会った。

 

 

感想

作中で扱われるミュージカル作品は順の『トラウマ』をファンタジーな物語に仕立て上げたもの。
だからこそ、キャラたちがリアルに抱えている葛藤とミュージカル内で展開される葛藤はつながっています。
結末をどうしようか考えるところも描かれていて、知っていたはずなのに現実とリンクしたところでグッと持っていかれました。
そしてさらに、その結末自体の内容も『言葉を発せなかった自分』も『本音を言えなかった自分』もどちらも自分で共存できるものなんだ、と単純な問題解決をしているだけじゃないという奥深さまで兼ね備えてしまっている。
一人の女の子が言葉を取り戻すお話としても、群像青春物語としても、最高のエクスタシーが味わえる作品でした。
あの花』を気に入らないと思った人でも、大満足の一本です。

 

ちなみに……個人的に冒頭のラブホ描写が大好きです。実はラブホで始まり、ラブホで終わっていた青春映画という斬新さがもう……。