にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

LUCY/ルーシー 感想

LUCY/ルーシ

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あらすじ

一般人・ルーシーは中国に来ていた。ある日突然マフィアの闇取引に巻き込まれ、運び屋として腹に袋詰めされたCPH4という薬を埋め込まれてしまった。
しかし、トラブルをきっかけにCPH4がルーシーの体内に漏れ出てしまう。するとルーシーは超能力のような力が使えるようになった。
なんとCPH4は通常十%しか機能しない人の脳を強制的に十%以上働かせる効果を持っており(※)、ルーシーの脳も十%を突破したことで超能力が使えるようになったのだ。
薬の効果が強くなるにつれて人の域を逸脱していくルーシーは、自分が果たすべき目的を探し求めるのであった。

 

※脳が二十パーセント機能しているイルカは、人の開発した機械よりも優れた超音波による探知能力を持っているとかなんとか。そこから発想を発展させていったっぽいです。

 

 

感想

普通の人間が特殊な力を手に入れて云々というお話。
昨今ではよく見られる構造でありながらも、以前とりあげた『クロニクル』という映画では誠実な回答を示してくれていました。
そして、今作もまたそんな映画の一つ。しかもクロニクルとは違った答えが示されています。
クロニクルではある日突然そんなものに目覚めた人間の欲求の行方は、とにかく承認欲求を満たす方へ向かうんだという扱いだったものでした。なるほど人間とは確かにそういうものかもしれません。
これ以外にいい回答なんてもうなさそうだな、などと思っておりました。いつでも予想外は振ってくるものですね。
なんと今作では、そもそも人間を超越すればするほど、人間が本来抱くであろう欲求などからも解放されるものではないのかというんです。


お金が欲しいだとか、異性にモテたいだとか、それらはあくまで人間の定規を持っているからこそ価値があるわけで……人間じゃなくなれば、それらに価値を感じることはなくなる。
ゆえにルーシーは自分を好き勝手にしてきたマフィアへの復讐に燃えるようなことはなく、目的地へ至るための痛めつけ以上に手を出すことはありません。
一貫して後世に知識を伝えるための行動を貫いて、最後は肉体さえも人間とは明確に異なる存在へと昇華していきました。
今作はある日突然特殊な力を手に入れた普通の人間がたどるであろう道の、誠実な回答をまた一つ見ることのできる作品でした。