にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

はたらく魔王さま! 感想

はたらく魔王さま!

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あらすじ

剣と魔法の世界・エンテイスラで勇者との戦いに敗れた魔王・サタン。
ゲートを通じて異界の地・地球の日本へと飛ばされてしまった。なぜか魔力の大半を失い、姿も人間と同じようになってしまう。
そこに住む人々はみな魔力を持たず、高度な文明を築いていた。
サタンは魔界で社会を育むために、日本で生活しながら文明を学ぶことを決めたのであった。
魔王と勇者がバイトする、ファーストフードラブコメディ。

 

 

 感想

基本的に異世界ものは、現代から異世界へとジャンプして現代ならではの知識を持って活躍するというパターンがありますよね。
今作ではその逆。異世界から現代へと異世界の住人達が飛んでくるスタイルを取っています。
異世界へのスペクタクルさは死んでいますが、その分日常に異物が紛れ込んだ感が強くなって異文化交流方面の魅力は跳ね上がっている印象。
言うなればテルマ・エロマエのような感じです。

 

魔王という圧倒的異物が日常の、それもマクドナルド的な場所でレジ打ちをしているシュールさは圧巻の一言。
魔王がいなくなってもなお争いが絶えることのないエンテイスラとは裏腹に、魔王の周辺はほんっとうに平和そのものです。
マクドナルド的なお店で正社員を目指したり、バイト先の娘と恋愛関係が発展しそうだったり。一見、日本で日常を満喫すること以外に興味を失っている様子。まるでエンテイスラへの関心を失ってしまったかのよう。
しかし、ただ淡々とシュールな絵面で日常を送るのではなく、元いた世界の余裕のない暮らしの中では見つけられなかった自分の進むべき道を、エンテイスラで自分がやるべき役割を見つけていたんです。
とてもナチュラルに。
魔王の目的はぶれることなくエンテイスラの世界征服一本。正社員を目指すことにだって、その一環として割とありかもしれないと思えるだけの理由がきちんと存在していました。エンテイスラではない、日本だから見つけることができたという流れが心憎いです。

 

勇者も魔王も悪魔も天使も、偉大な存在みんながみんな日本のフリーターとして所帯じみた生活を送っているシュールさの魅力もさることながら、異世界の住人が日本の日常の中で自分の道を見つけていく王道成長物語としても楽しめる作品でした。
あ、最新刊周辺でようやくデレたあのエミリアさん最高です。