にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ウォルト・ディズニーの約束 感想

ウォルト・ディズニーの約束

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メリーポピンズの作者・トラヴァースは自分の作品がディズニーのファンタジックな映像にされるのが嫌だった。
そんなトラヴァースがウォルト・ディズニーやその周囲の人々と接していく中で、強固だった態度をやわらげてメリーポピンズの映像化を認めていくお話。

 

 

メリーポピンズとはどんな存在なのか。
この命題が作中で謎として大きく立ちはだかることになります。
メリーポピンズといえば傘で空から舞い降りてきて、歌って楽しく子供たちを助けてくれる女性として広く親しまれていますよね。
みんなの中にあるメリーポピンズとはこういう人! みたいなイメージとしての典型です。
……でも、違うんですって。そんな奴じゃないらしいんですよ。

 

彼女にはモデルとなっている人物がいます。それは原作者・トラヴァースの叔母であるメリーさん。
メリーさんは作中でもトラヴァースの幼少シーンで登場してくるのですが、見た目も行動もメリーポピンズそのもの。
空は飛びませんけどね。
空を飛ぶことを除いてどこまでもそっくりなお二人ではあるものの、メリーさんとメリーポピンズは決定的に違う点が明確に存在します。
その違いこそが、トラヴァースの言うところのメリーポピンズの正しい姿が世間の認識とずれている要因であり、この作品の謎の答えとなっているわけです。
明かされたのはすごく意外な事実的なものじゃないというか、その時点では薄々そうだろうなと見ている側でも考えられるようなこと。
謎の解明によって得られるカタルシスは驚きといよりかはむしろ、じんわり暖かくなるような類のものでした。