にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

アンドリューNDR114 感想

アンドリューNDR114

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とある一家に購入された男性型お手伝いロボットが主人公。
彼は徐々に芸術などを素晴らしいと思える感性が芽生え、
やがて長い時間をかけて心も体も、果ては社会的権利まで人間を目指すようになっていくお話。

 

 

人間とは何なのか。そんな問いかけをしてくる作品でした。
無機質な体やロボット三原則に縛られた行動原理から、主人公・アンドリューは登場時どう見てもロボット以外のなにものでもありません。
そんな彼が、作中で心と体を一つ一つ丁寧にステップを踏みながら手に入れていきます。
これこそが今作の魅力。
感性。表情。体。あんなにもロボットだった存在が、外面的にも内面的にも『少しずつ』人間になっていく様子は目が離せません。
心があれば人間なのか。人間としての肉体を持っていれば人間なのか。
従来の作品であれば、周囲がそのロボットを一つの人格として認めるだけですべてが万事解決といった構造ですよね。
しかし、今作ではそれでは足らないんだといいます。

 

 

彼がどれだけ人間らしくなろうが、ロボットであることに変わりなし。
なら内臓か? いや、内部構造が人間になってもまだ認められない。
彼はあらゆる意味合いで人間らしくなっていたものの、決定的に人間とは違う箇所がありました。
『不老不死』であるという点です。
生き物は死に、ロボットは死なない。実に単純な理論……であるがゆえに、これ以上ない説得力です。
それを理解したアンドリューは肉体に寿命を設け、死を持って人として認められました。
今作は『ロボットが人間になる』をこれ以上ないくらいまっすぐに表現している物語です。