にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ジャージー・ボーイズ 感想

ジャージー・ボーイズ

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フォー・シーズンズのトニーはとんでもないクソ野郎です。
犯罪なんてなんのその。借金だって桁外れにこさえて、グループの足を引っ張るばかり。
挙句の果てにはフランキーに多額の借金をすべて肩代わりさせる始末。フランキーはただでさえ忙しかったのにますます仕事に追われて二重の意味で家族を失いました。
……それでもグループを発足したのもチャンスを持ってきたのも、若き日のフランキーを守ったのもまたトニーなんです。
トニーという人物がいなかったら?
そんな疑問に対しての脚本家なりの回答がこの映画(ミュージカル?)です。

 

 

借金を返し終え、過去のしがらみから解放されたフランキー。
やっとこれから新しい人生が始まるんだ! そんなことを思っていた矢先に事件は起こりました。
彼の娘・フランシーヌが薬物の過剰摂取で死んだのです。フランシーヌはフランキー同様に歌手を目指して治安の悪い場所に出入りしていました。
フランキーは生きて、フランシーヌは死んだ。同じ道をたどっていたはずなのにどこでその差が出てしまったのでしょう?
それがトニーです。
トニーはフランキーを歌手にまで引っ張ってくれた功績者です。フランキーもフランシーヌにとってそうであろうと支援をしていたようです。
しかし、トニーとフランキーには決定的な違いがありました。
若き日のフランキーだってこの映画の中だけでも結構なピンチに巻き込まれています。それを助けてくれたのはいつだって近くにいたトニー。
フランキーは仕事が忙しく、娘の近くにはいられませんでした。
もちろんそればかりが要因ではないでしょう。しかし小さくない要因の一つだとは、間違いなく言えます。
この作品はトニー肯定のお話なんですね。

 

 

総括

正直自分にはこの映画は確かに正しい! とは思えません。トニーがクソ野郎なのも、フランシーヌが死んだのも純然たる事実なわけですから。
だからといって、こっちのほうが正しいのに! ということも言えません。
フランキーは結果的に家族よりトニーを守った形になるわけですが、フランキー的にそれはハッピーエンドだったのでしょうか?
もちろん両方救えるのが一番いい。それじゃあ両方救えるような選択肢はあったのか。
考えれば考えるほどにこの映画は自分を迷宮へと引っ張っていきます。
これが『ジャージー・ボーイズ』の面白さではないでしょうか。