にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

無邪気の楽園 感想

無邪気の楽園

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物語

冴えないゲームプログラマー・反田省太氏が小学生のころにタイムスリップしてしまい、人生をやりなおすべく小学生として真面目に行動しようとしているのにもかかわらず、無邪気な女子小学生によるラッキースケベに巻き込まれては絶頂させられてしまうお話。


エロ漫画ではおなじみの要素を一般紙なりに表現した、ありそうでなかった力作。
小学生の姿になったおっさん主人公が絶頂を迎えてぴくついている横で、ラッキースケベの対象となった女子小学生は何事もなかったかのように(というか本人は本当に何もなかった認識)遊びに戻っていくその落差が面白いです。


従来では女の子側が女子高生であったり、女子中学生であったりするためにある程度性知識について知っています。ゆえにラッキースケベが起きたときのリアクションは画一的にならざるをえないので、正直すぐに飽きてしまいます。
ところが今作では女の子が小学生ということで、性知識への理解度が皆無な娘が多い。そしてそれは画一的なリアクションとは無縁となっています。
性知識が皆無な女の子たちはさまざまな方法を持って無邪気にエロを提示し、主人公を困らせてきます。そのさまざまな方法が女の子の役割を明確にわけていて、多様性をより際立たせてくれるのです。

 

タイムスリップといってもそこになにか大きな謎があるわけではなく、あくまで今を時めくあの娘と接点があった小学生時代にもどれたらなぁという省太氏の抑圧を解放するための手段以上の理由は今のところありません。
そしてそれは今後も明かされるべきものではないと思います。


前述したとおり、このお話の面白さはあくまで女子小学生が無邪気にエロを提示してくることに振り回されるところにあります。
なのでタイムスリップものとしての要素を色濃くするのは余計なことではないでしょうか。もしこのお話に終止符をつけるためにそこの描写をしなくてはいけないのであれば、何らかの条件を達成すると主人公はもとに戻されてしまうくらいのあり方がベストだと思います。

 

キャラクター

自分の一押しは金子莉緒様。

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ほかの娘たちが省太氏に対してやわらかい接し方をする最中、唯一とげとげしさを忘れない少女です。
ギャルのような外見でありながらも正しいことを押し通そうとして孤立してしまいそうになるような不器用さを持っていて、そのことが原因で時々見せる不安げで弱々しい姿にはくらっとさせられます。
やはり、ほどよい敵対関係を持ったヒロインというのはギャップという安定した武器が伴っている分、それだけで大きな魅力ですね。

 

総評

作者さんがやりたかったことは一巻の段階であらかた終えている印象。
しかし、だからこそテンプレートを脱し切れていなかった一巻を抜けた二巻目以降は目新しさがあり、先が気になってしまう作りになっていて、個人的に今一番新刊を楽しみにしている作品です。
今度は女子小学生がどんな無邪気さを持って主人公にエロを投げかけるんだろう、と毎回わくわくさせられてしまいます。
画力のあるタイプの作者さんなので、女の子の表情の豊かさや、女の子の衣服からあふれるリアリティにも注目しておきたいところ。