にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ちはやふる 感想

ちはやふる

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アニメ版の2期までとコミック原作27巻まで読んだ上での感想となりますが、
現在のコミックは山場真っ最中なため、今回は区切りよくきちんと一つの完結を迎えているアニメ版のみをピックアップします。

 

物語

モデルの姉と比較されて育てられてきた少女が、かるた界でトップに君臨する『クイーン位』を目指すというサクセスストーリーです。
文化部を題材に取り扱っていながら、王道スポ根ものを曲げることなくまっすぐにやっている印象。
ただ『かるたの世界で勝ち上がっていくために葛藤する様』を描いているだけなのに、それが面白い。
運動部ものの面白さがベースにはなっているものの、かるたという文化色の強い題材で少女漫画らしい内面の葛藤も丁寧に扱っているので読んでいて強い説得力がありました。

 

主人公の綾瀬千早様はかるたをしていくうえで重要な才能である『耳のよさ』を持っています。
道スポ根で才能のあるキャラクターがちょいちょい障害を乗り越え勝っていく話を今更やって面白いのかと勘ぐってしまうものの、『かるた』という共通言語として成り立っていない題材を説明しやすい、わかりやすい形に落とし込む効果を発揮していて、ひねるべき場所とひねるべきでない場所をきちんと考えることの大切さを実感させられます。

 

キャラクター

ずばり押しメンは真島太一氏です。

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作中で一番の常識人であり、一番現実の人に近いリアルな葛藤をします。
太一氏は日常生活の中では才色兼備のなんでも超人なのですが、かるたの世界では才能に恵まれず凡人でしかありません。
才能や運に恵まれた周囲に敗北しながらも一途に努力をし続けて、持たざる者の工夫どころか『持たざる者がまっすぐに努力してたどり着ける場所はあるんだ』という彼の強い信念が、読者として魅了されずにはいられません。
とにかく熱い。
「俺はA級になるより……逃げない奴になりたい」
「泣くな。俺はまだ、泣いていいほど懸けてない」
ただ諦めないだけの熱血キャラじゃないんです。
くじけそうになりながらも、それでもあきらめたくない。そういう人間らしさが彼の何よりの魅力でしょう。

 

総評

近年では珍しいとてもまっすぐで面白い物語です。
キャラクター(太一氏)も類を見ないほどに魅力的なので、まだ未見の方は是非に。

 

ちはやふる(1)

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