にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ワイルドカード 感想

ワイルドカード

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元特殊部隊隊員の男・ニックはラスベガスで用心棒を生業にしていた。
ある日、元恋人にレイプ犯への復讐を依頼される。
が、そのレイプ犯はマフィアと繋がりを持っていたことが判明し、ニックは命を狙われることになってしまう。
ギャンブル依存とマフィア、二面に不安が渦巻く犯罪スリラー。

 

 

一見して今作の世界観はリアルよりのものであることは明白です。なのにニックは用心棒でありながら、銃を一切使いません。
その場その場にある小物を武器にするか、素手で殴りに行くのが彼の戦闘スタイルです。
不条理な現実的世界の中でキャプテンアメリカに近いファンタジックかつ肉薄的なアクションを体験できるというわけです。
そんな彼の姿はまさにヒーロー……とは程遠い存在でした。
超ヒールです。酒瓶とフォークで暴れてどこのレスラーだよってくらいにこてこての。
そんな彼の望みはラスベガスを出ることでした。しかしギャンブルで五十万ドル勝って十分すぎるほど豪遊ができる資金を得ても、ギャンブルをやめようとはしません。
そう、彼はギャンブルへの依存症でした。それを認めないニック自身が、彼をラスベガスへと縛り付けていたのです。
ニックはマフィアから逃れながら、いかにしてラスベガスへの縛りから脱することができるのか。
ノワールのようでいて、キャプテンアメリカのようでいて、全うな成長物語が描かれている作品でした。