にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

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あらすじ

超情報化対策として、人造の脳『電子葉』移植が義務付けられた2081年の日本。
情報庁で働く官僚・御野は、行方不明中の恩師であり『電子葉』の開発者・道終が残した暗号を発見する。
暗号を元にたどり着いた場所には一人の少女がいた。少女は『電子葉』をはるかに上回る性能を持った新型人造脳が移植されていた。
御野は道終の残した少女になんらかの意図があることを確信し、少女と共に行動することを決める。それは世界が変わる四日間の始まりだった。

 

 

感想

以前取り上げた映画・ルーシーをもう少し科学的に体現したような印象です。
知識を求め、後世に伝えていくという動物としての使命を、超越的な力を持った少女が探究していくお話。

 

こんな書き方ではとても小難しい内容のように思えるでしょうが、地味さとはまるで無縁の内容です。
知識云々といったテーマをメタファーに、派手なアクションを持ってわかりやすく今どういったことが行われているのかが描写されています。
知識の探究の末にたどり着いたのは生命として究極ともいえるような場所。結局少女は最終的に人間としてのアイデンティティを失うことになってしまいます。
しかし、今作ではここで終わっていたルーシーとは違った答えを持ってきていました。
少女は十四歳と人間として未熟で、しかも四日間という身近な時間の中だけで物を覚えていきます。必然的に足りないのは経験から得る知識や感覚――たとえば性的なこととか。
一見すれば、ハードSFな題材。しかし最後まで読み切った時に理解できるその実態は、純然たる恋愛物語でした。

 

圧倒的な力で強者を飲み込んでいくアクション的爽快感と、とても異質な恋愛物語を体験することができる作品です。