にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

ターミネーター 新起動/ジェニシス 感想

ターミネーター 新起動/ジェニシス

f:id:saradax:20150711012455j:plain

あらすじ

カイル・リースはスカイネットから人類を解放するためのレジスタンスに所属して戦っていた。
ようやくスカイネット打倒に成功するが、スカイネットは壊滅直前に過去の時間へ殺人ロボット・ターミネーターを送り込んでいた。解放軍のリーダーの生みの親であるサラ・コナーを殺害を目論んでいたのだ。
サラを守るために志願して過去に飛ぶカイル。しかし、過去につくと何故かターミネーターは救いに来たはずのサラ自身の手によって倒されていた。
なんと世界の時間軸が何者かによって書き換えられていたのだ。どこで誰が、未来を変えたのか。ターミネーター第四部。

 

 

感想

観たほうがいい映画ではありません。観なくてはいけない映画です。
ターミネーターは言わずと知れた名作です。ターミネーターというキャラも、その話も有名すぎて語るまでもなく、『桃太郎』みたいな童話のように共通言語として成り立ってしまうくらいに有名です。そんなものの続編だなんて……ターミネーター3が微妙なのは仕方がないんです。だから4も仕方ない。そんなことを思いながらいまいち魅かれませんでした。
ところが、そんな不信感は宇宙の彼方へ吹っ飛ばされてしまいました。

 

そこで取られた手段……それは、共通言語として成立してしまうくらい有名であることを逆手にとって、ターミネーターを『ターミネーター』という名の一つのジャンルに押し上げた上で続編を作ったんです。
元々はどれだけ攻撃しても殺しにかかってくるしぶといロボットに追い回される恐怖を楽しむ『怪物もの』的な構造の作品。
そこに、今まで物語のパーツにしかなっていなかった要素であるタイムスリップ周りを深堀することで、革新性を生み出しました。
『魔王と勇者』というジャンルで『村人目線』をやるがごとく、『ターミネーター』というジャンルで『タイムスリップもの』をやったわけです。

 

それじゃあ『タイムスリップもの』のお話としてどうなんだ、という話になるわけですが……もう、最高です。
カイルが未来から飛ぶ直前に起きた事件をきっかけに起こるタイムパラドックスが、前作で描かれていた数々の苦労を霧散させてしまいました。グッとひきつけられてからのどんでん返し。そしてまたグッとひきつけられてからのどんでん返し。
『前作』の存在をこれ以上なく効果的に『タイムスリップもの』に昇華させている素晴らしいシナリオだと思いました。
が、完璧ではありません。
二ヶ所……ニュースなどで唄っていた三部作の体に持っていくためと思わしき展開のたった二ヶ所だけが、今作を単品として観たときの価値を著しく下げています。
そこさえ目をつむれば完璧なのにもったいない!

 

なにはともあれ。元からターミネーターが持っていたスリラーならではのひやひや感を損なうことなく、確かな物語性までばっちりと兼ね備えてしまった正真正銘の名作映画です。