にわオタレビューブログ

にわかなオタクがアニメ、ラノベ、エロゲーなどのレビューをつづります。まったく関係ないこともつづります。

クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 感想

クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門

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物語

交際するだけで人を駄目にするほどの怠け者少年・中野太一氏が、将来日本を衰退させる少女・曽我野笑詩様と付き合って日本の未来を助けようとしてクズじゃなくなっていくお話。

 

 

ヒロイン・笑詩様がゲーム中の主人公・太一氏の背中に足で悪戯したり、自身がゲームプレイ中に太一氏の足を背もたれにする様子が素直になれないもののどうにかしたいという人間の生々しい感情表現としてかなりグッときました。
それを、最初「存在感の薄い人とか目に入らない」のような発言でDQNのように見えていた女の子なのに実は、という文脈でやってくるものだからもうたまりません。

 

 

太一氏は未来人・カマタリ様の力ですぐにタイムスリップして日常をやりなおします。
クライマックスへの伏線がわかりやすすぎるくらいにあからさまなのにも関わらず、この伏線の直前でいつものようにタイムスリップで時間を戻したために伏線がとてもさりげなくなっていて驚きました。

 

 

太一氏のクズさに実在感があります。
一番現実にいそうなタイプの怠け者系クズ。それでいて、それを恥じらいもなく他人の前で実行できるところが交際相手をもダメにしてしまえるほどの今作の主人公たる所以でしょう。


お金を得ようとする度に親や親戚にせびりに行ったり、自分によくしてくれる親友をあっさりと見捨てたり、自分にとことん甘くわがままが多い。
どこかで見たことがあるキャラだと思っていたら、のび太くんそのものじゃないかということに気づきました。


つまり主人公をのび太くんたらしめているカマタリ様はさながらドラえもん。さらに、この物語がゴール地点として定めているのはしずかちゃん的キャラである笑詩様との交際と結婚。
細かな部分は違えど、目的を叶えることでクズをクズじゃなくするという点において共通しています。
つまり、この物語はドラえもんだったのです。本当に。

 

総括

真に迫ったクズ描写もさることながら、クズじゃなくなるためのステップを見た目から一つ一つ丁寧に踏んでいっているのが説得力もあり、丁寧ですばらしいと思いました。
非常に面白い作品です。